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論文

A Terrestrial SER Estimation Methodology Based on Simulation Coupled With One-Time Neutron Irradiation Testing

安部 晋一郎; 橋本 昌宜*; Liao, W.*; 加藤 貴志*; 浅井 弘彰*; 新保 健一*; 松山 英也*; 佐藤 達彦; 小林 和淑*; 渡辺 幸信*

IEEE Transactions on Nuclear Science, 70(8, Part 1), p.1652 - 1657, 2023/08

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Engineering, Electrical & Electronic)

中性子を起因とする半導体デバイスのシングルイベントアップセット(SEU: Single Event Upset)は、地上にある電子機器の動作の信頼性に関係する問題となる。白色中性子ビームを用いた加速器試験では、現実的な環境の中性子起因ソフトエラー率(SER: Soft Error rate)を測定できるが、世界的にも白色中性子ビームを供給できる施設の数は少ない。ここで、多様な中性子源に適用可能な単一線源照射を地上におけるSER評価に適用できる場合、ビームタイムの欠乏を解消できる。本研究では、これまでに得られた測定結果のうち任意の1つを抽出し、これとPHITSシミュレーションで得たSEU断面積を用いた地上環境におけるSERの評価の可能性を調査した。その結果、提案する推定法で得られたSERは、最悪の場合でも従来のWeibull関数を用いた評価値と2.7倍以内で一致することを明らかにした。また、SER評価におけるシミュレーションコストを低減する簡易化の影響も明らかにした。

論文

環境放射線と半導体デバイスのソフトエラー; 環境放射線起因ソフトエラーのシミュレーション

安部 晋一郎

日本原子力学会誌ATOMO$$Sigma$$, 65(5), p.326 - 330, 2023/05

電子機器の信頼性問題として、地上に降り注ぐ二次宇宙線の中性子やミューオンによって生じる電子機器の一時的な誤動作(ソフトエラー)がある。高い信頼性が求められる電子機器の数は社会の進歩とともに増えており、これらすべての機器のソフトエラー発生率(SER: Soft Error Rate)を実測的な方法で評価することは難しい。また機器の製造前の段階でSERを評価することも求められており、シミュレーションによるSER評価の重要性が高まっている。原子力学会誌の解説記事において、放射線挙動解析コードPHITSを用いたソフトエラーシミュレーション技術の研究開発や、ソフトエラー発生の物理過程の詳細解析結果について紹介する。

論文

Characterizing energetic dependence of low-energy neutron-induced SEU and MCU and its influence on estimation of terrestrial SER in 65-nm Bulk SRAM

Liao, W.*; 伊東 功次郎*; 安部 晋一郎; 密山 幸男*; 橋本 昌宜*

IEEE Transactions on Nuclear Science, 68(6), p.1228 - 1234, 2021/06

 被引用回数:2 パーセンタイル:31.78(Engineering, Electrical & Electronic)

二次宇宙線中性子が引き起こすメモリ情報の反転現象であるシングルイベントアップセット(SEUs: Single Event Upsets)は、地上における電子機器の誤動作現象の原因となる。特に、複数メモリセル反転(MCUs: Multiple Cell Upsets)は、エラーの訂正が困難であるため、深刻な問題となる可能性もある。本研究では、10MeV以下の低エネルギー中性子の影響を明らかにすることを目的とし、産業技術総合研究所にて半導体デバイス設計ルール65nmのBulk SRAMへ異なるエネルギーの単色中性子を照射し、SEU断面積およびMCU断面積を測定した。その結果、6MeV前後でSEU断面積が大きく変化することや、数MeVの中性子でも全体に占めるMCUの割合は大きく変わらないことなどを明らかにした。また、SEU断面積およびMCU断面積と、ニューヨークと東京の二次宇宙線中性子スペクトルを用いてソフトエラー率を解析した結果、地上環境では低エネルギー中性子の影響はそれほどない事なども判った。

論文

Measurement of single-event upsets in 65-nm SRAMs under irradiation of spallation neutrons at J-PARC MLF

黒田 順也*; 真鍋 征也*; 渡辺 幸信*; 伊東 功次郎*; Liao, W.*; 橋本 昌宜*; 安部 晋一郎; 原田 正英; 及川 健一; 三宅 康博*

IEEE Transactions on Nuclear Science, 67(7), p.1599 - 1605, 2020/07

 被引用回数:4 パーセンタイル:45.45(Engineering, Electrical & Electronic)

半導体デバイスの信頼性の観点から、環境放射線起因ソフトエラーは問題となる。ソフトエラー発生率(SER: Soft Error Rate)を実測的に評価するために、中性子照射施設にてデバイスへの中性子照射測定実験が一般的に行われる。我々はこれまでに大阪大学のRCNPおよび東北大学のCYRICにて、65nmバルクSRAMおよびSOTB SRAMを対象とした中性子照射SER測定実験を行った。本研究では、同じデバイスを用いて、J-PARC MLFにある大強度の核破砕中性子源のBL10でSER測定実験を実施した。その結果、動作電圧を低くした際のSERの増加割合が、他の施設での測定結果と比べて高いことが判明した。PHITSによる解析の結果、入射中性子と保護樹脂に含まれる水素原子との弾性散乱による二次陽子が原因で動作電圧の低い条件下でSERが増加することを明らかにした。

論文

Impact of hydrided and non-hydrided materials near transistors on neutron-induced single event upsets

安部 晋一郎; 佐藤 達彦; 黒田 順也*; 真鍋 征也*; 渡辺 幸信*; Liao, W.*; 伊東 功次郎*; 橋本 昌宜*; 原田 正英; 及川 健一; et al.

Proceedings of IEEE International Reliability Physics Symposium (IRPS 2020) (Internet), 6 Pages, 2020/04

 被引用回数:2 パーセンタイル:64.23(Engineering, Electrical & Electronic)

二次宇宙線中性子起因シングルイベントアップセット(SEU: Single Event Upset)は、地上において電子機器の深刻な問題を生じる可能性のある事象として知られている。これまでの研究で、水素化物と中性子との弾性散乱により、前方に水素イオンが放出されるため、メモリ前方にある水素化物がSEUの発生確率の指標となるSEU断面積に影響を与えることを明らかにした。本研究では、トランジスタ近傍の構造物がSEU断面積に及ぼす影響を調査した。その結果、数MeVの領域におけるSEU断面積の変化は構造物の厚さおよび位置によって決まることを明らかにした。また、シミュレーションにおいてトランジスタ近傍の構造物を考慮することにより、J-PARC BL10の測定値をより良く再現できるようになった。さらに、構造物を考慮した計算シミュレーションにより、トランジスタ近傍の構造物は地上環境におけるソフトエラー率に有意な影響を持つことを明らかにした。

論文

Characterizing SRAM and FF soft error rates with measurement and simulation

橋本 昌宜*; 小林 和淑*; 古田 潤*; 安部 晋一郎; 渡辺 幸信*

Integration, 69, p.161 - 179, 2019/11

 被引用回数:10 パーセンタイル:62.95(Computer Science, Hardware & Architecture)

宇宙線起因ソフトエラーは、信頼性が要求されるアプリケーションで深刻な問題となっている。デバイスの小型化・省電力化により、SRAMやフリップフロップ(FF: Flip-Flop)の放射線耐性が低下するため、より多くの製品でソフトエラー対策が要求されるようになると予想される。本論文では、地上環境下におけるSRAMとFFのソフトエラー率について、測定実験やシミュレーションによる研究成果を交えて議論するとともに特徴を述べる。

論文

Impact of irradiation side on neutron-induced single-event upsets in 65-nm Bulk SRAMs

安部 晋一郎; Liao, W.*; 真鍋 征也*; 佐藤 達彦; 橋本 昌宜*; 渡辺 幸信*

IEEE Transactions on Nuclear Science, 66(7, Part 2 ), p.1374 - 1380, 2019/07

 被引用回数:7 パーセンタイル:61.94(Engineering, Electrical & Electronic)

二次宇宙線中性子起因シングルイベントアップセット(SEU: Single Event Upset)は、電子機器の深刻な信頼性問題として知られている。中性子照射施設における加速試験はソフトエラー発生率(SER: Soft Error Rate)の迅速な評価に有用だが、実環境におけるSERへの換算や、他の測定データとの比較を行う際には、測定条件に起因する補正が必要となる。本研究では、影響を及ぼす測定条件を明らかにするために、SEU断面積に対する中性子照射方向の影響を調査した。その結果、封止剤側から照射して得られたSERがボード側から照射したときと比べて30-50%高いことが判明した。そのため、測定値を報告する際には中性子の照射方向も明示する必要性があることがわかった。また、この結果は、デバイスを設置する際に封止剤を下に向けることでSERを減らせることを示している。

論文

Estimation of muon-induced SEU rates for 65-nm bulk and UTBB-SOI SRAMs

真鍋 征也*; 渡辺 幸信*; Liao, W.*; 橋本 昌宜*; 安部 晋一郎

IEEE Transactions on Nuclear Science, 66(7), p.1398 - 1403, 2019/07

 被引用回数:8 パーセンタイル:66.68(Engineering, Electrical & Electronic)

宇宙線起因ソフトエラーは、地上の電子機器にとって大きな脅威であることが知られている。近年は、電子機器のソフトエラー耐性の低下に伴い、宇宙線ミューオン起因ソフトエラーが注目されている。これまでの研究では、正ミューオンのみに関する照射試験やシミュレーション結果からソフトエラー発生率(SER)が予測されていた。本論文では、65nmバルクおよびUTBB-SOI SRAMに対するミューオン起因SEU率を、負ミューオンと正ミューオンの両方の実験値を用いて評価した。実験の結果、バルクSRAMの負ミューオン起因SEU断面積は、UTBB-SOIよりも著しく大きいことが判明した。またPHITSシミュレーションと実験結果より地上でのミューオン起因SERを推定した結果、建屋1階におけるミューオン起因SERは中性子起因SERの10%であることを明らかにした。

論文

Soft error rate analysis based on multiple sensitive volume model using PHITS

安部 晋一郎; 佐藤 達彦

Journal of Nuclear Science and Technology, 53(3), p.451 - 458, 2016/03

 被引用回数:9 パーセンタイル:64.88(Nuclear Science & Technology)

地上における電子機器の信頼性を脅かす問題として、二次宇宙線中性子によるソフトエラーが知られている。既に開発済のマルチスケールモンテカルロシミュレーション手法PHYSERDは信頼性の高いソフトエラー解析コードで電荷収集過程を詳細に解析できるが、テクノロジーCAD(TCAD)シミュレーションに長時間を要する。そこで本研究では、収集電荷量の概算に多重有感領域(MSV: Multiple Sensitive Volume)モデルを採用し、PHITSとMVSモデルを用いた二次宇宙線中性子起因ソフトエラー発生率(SER: Soft Error Rate)計算を行った。この計算結果をPHYSERDおよび単純有感領域(SSV: Single Sensitive Volume)モデルによる結果と比較した。その結果、PHITSとMSVモデルを用いることで、PHYSERDによるSER計算値と同等の値を短時間で算出できることがわかった。また、PHITSとMSVモデルを用いて電荷収集効率の位置依存性を考慮することで、PHITSとSSVモデルよりもSERや電荷収集をより正確に再現できることを定量的に明らかにした。

論文

Shielding effect on secondary cosmic-ray neutron- and muon-induced soft errors

安部 晋一郎; 佐藤 達彦

Proceedings of Radiation Effects on Components and Systems Conference 2016 (RADECS 2016) (Internet), 5 Pages, 2016/00

二次宇宙線中性子は、地上における電子機器のソフトエラーの主因として知られている。近年、半導体デバイスの放射線耐性の低下に伴い、二次宇宙線ミューオンの影響が懸念されている。本研究では二次宇宙線中性子およびミューオン起因ソフトエラー発生率(SER: Soft Error Rate)への遮蔽効果による影響を調査した。地球上のほぼ全ての場所、時期における宇宙線フラックスを見積もる解析モデルPARMA 4.0で得られる宇宙線の二重微分フラックスを用いて、PHITSによる建屋への二次宇宙線中性子およびミューオン照射の計算を行った。その結果、建屋内での中性子フラックスの計算値と実験値との非常に良い一致が得られた。野外および建屋1階での二次宇宙線中性子およびミューオン起因のSERは、多重有感領域(MSV: Multiple Sensitive Volume)モデルとPHITSを用いて解析した。その結果、建屋による遮蔽効果は中性子起因SERの減少にのみ寄与することが判明した。建屋1階でのミューオン起因SERは中性子起因SERに対して20%程度であり、屋内で使用する機器の信頼性評価を行う際は二次宇宙線ミューオンの影響を考慮する必要があること明らかにした。

論文

Effects of muon interactions with matter on terrestrial muon-induced soft errors

安部 晋一郎; 佐藤 達彦; 松葉 大空*; 渡辺 幸信*

Proceedings of 11th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Applications (RASEDA-11) (Internet), p.45 - 48, 2015/11

宇宙から降り注ぐ放射線(一次宇宙線)と大気の相互作用で生じる二次宇宙線は、地上にある電子機器の半導体デバイスの誤作動(ソフトエラー)の原因であることが知られている。次世代型のデバイスは微細化によって放射線耐性が低下しており、近年環境ミューオンの影響が懸念されている。ミューオンは仮想光子を介した反応や負ミューオン捕獲反応により二次荷電粒子を生成する。そこで本研究ではこれらの反応に着目し、環境ミューオン起因のソフトエラー率(SER)への影響を解析した。本研究では、PHITSと多重有感領域(MSV)モデルを用いて、設計ルール(半導体部品中の基本的な配線の太さ)が25nmのNMOSFETに対するSERを解析した。その結果、環境ミューオン起因のSERは環境中性子起因のSERの数%以下となり、その主因は負ミューオン捕獲で、仮想光子を介したミューオン核反応の影響は小さいことを明らかにした。また、環境ミューオンの直接電離による影響は臨界電荷量の非常に低い領域のみに現れることも実証した。

論文

Comprehensive study on layout dependence of soft errors in CMOS latch circuits and its scaling trend for 65 nm technology node and beyond

福井 大伸*; 濱口 雅史*; 吉村 尚夫*; 親松 尚人*; 松岡 史倫*; 野口 達夫*; 平尾 敏雄; 阿部 浩之; 小野田 忍; 山川 猛; et al.

Proceedings of 2005 Symposia on VLSI Technology and Circuits, p.222 - 223, 2005/00

65nmノードのCMOSラッチ回路に対しプロトンビームによるソフトエラー加速試験を初めて行い、ソフトエラーレート(SER)のレイアウト依存性を明らかにした。臨界電荷量と電荷収集過程は拡散層サイズに強く依存するため、SERもそれらに対し依存する。拡散層サイズの最適化によりSERを70パーセント減少できることを見いだした。スケーリングの変化とSER劣化との関係において、電源電圧を高くすることでSERの増加を緩和し、劣化を抑制できることがわかった。

論文

Study on proton-induced single event upset in Sub-0.1$$mu$$m CMOS LSIs

福井 大伸*; 濱口 雅史*; 吉村 尚夫*; 親松 尚人*; 松岡 史倫*; 野口 達夫*; 平尾 敏雄; 阿部 浩之; 小野田 忍; 山川 猛; et al.

Proceedings of the 6th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application (RASEDA-6), p.169 - 172, 2004/10

近年の半導体製造技術の発展に伴う素子の微細化には、幾つかの問題が存在する。その一つに宇宙線によるソフトエラーの発生増加が挙げられる。ソフトエラーの増加は、システムの不良に直結し、その結果、社会基盤に重大な影響を与えると予想される。今後、性能向上、コストの低減を目的として最小寸法が50nm以下の超微細CMO SLSIの量産を実現するうえで宇宙線に起因するSEU(Single Event Upset)の防止策の確立を図ることは、必要不可欠である。本研究の目的はソフトエラー耐性の高い素子を備えた回路の設計指針を得ることである。この一環としてCMOS素子に、日本原子力研究所高崎研究所のサイクロトロンを用いて、20, 50, 80MeVのプロトン照射を実施し、それぞれのプロトン照射で生じるエラー数と照射量との関係からSEU反転断面積を調べた。その結果、入力レベルが高(High)の時のSEU反転断面積は入力レベルが低(Low)と同じであること、さらにSEU反転断面積は照射エネルギー50MeV近傍で極大値を持つことがわかった。

論文

宇宙線によるシリコンデバイスの劣化

梨山 勇

マテリアルライフ, 9(2), p.69 - 72, 1997/04

宇宙環境下で広く用いられているシリコンデバイスのうち、太陽電池とLSIについて宇宙放射線の影響を解説する。人工衛星の太陽電池は宇宙放射線を受け易く、照射損傷に起因する出力劣化は人工衛星の寿命を決める要因となっている。最近、陽子線や電子線の照射によりシリコン太陽電池の出力が初期値の30~40%に達すると、突然ゼロになる現象を見出した。この現象を解析した結果、出力の急落は少数キャリアのドリフト長の低下に起因することが分かった。LSIに関しては、銀河宇宙線に含まれる超高エネルギーの重イオンがLSIに入射して発生するシングルイベント効果のメカニズムを説明し、実際の宇宙環境で使用されているメモリー素子のシングルイベント・ソフトエラーについての実験結果を紹介する。

論文

Effects of micro-beam induced damage on single-event current measurements

平尾 敏雄; 梨山 勇; 神谷 富裕; 西島 俊二*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 104, p.508 - 514, 1995/00

 被引用回数:29 パーセンタイル:91.66(Instruments & Instrumentation)

人工衛星搭載電子デバイス等宇宙環境で使用される半導体素子には、銀河宇宙線等の高エネルギー重イオンの入射により「ソフトエラー」や「ハードエラー」などのシングルイベント現象が引き起こされる。シングルイベント現象の機構を解明するために、重イオンマイクロビームを利用し、入射時に発生する過渡電流波形から収集電荷量を求めている。本報告では、重イオンマイクロビームを入射した時の放射線損傷について、実験値とキンチンピースモデル及びトリム計算から比較検討した結果、理論的に損傷を説明できる方法が得られたので、それについて述べることとした。

論文

宇宙用半導体素子のシングルイベント

梨山 勇; 平尾 敏雄

放射線と産業, 0(61), p.37 - 41, 1994/00

高崎研究所のイオン照射研究(TIARA)で行っている宇宙用半導体のシングルイベント効果に関する研究のうち、宇宙ステーションに使う256キロビットメモリー集積回路のソフトエラー耐性の評価、並びに、最近著しい技術進歩が見られる集束型高エネルギー重イオンマイクロビームを利用したシングルイベント基礎過程の研究を紹介する。先ず、集積回路に関しては、サイクロトロンで得られる5種類のイオンビームを使って、その臨界LETが2.8MeVcm$$^{2}$$/mgであり、飽和反転断面積が3.0$$times$$10$$^{-8}$$cm$$^{2}$$/ビットであることを明らかにした。次に、重イオンマイクロビームとシリコンダイオードを用いて、シングルイベント現象の基礎過程である電荷集積の過渡応答を調べ、この現象は数百ピコ秒でありLETの大きなイオンほど大量の電荷が収集されることが判明した。これに加え、全収集電荷量と理論モデルの結果との比較を行った。

口頭

PHITSと多重有感領域モデルを用いたソフトエラー発生率解析

安部 晋一郎; 佐藤 達彦

no journal, , 

放射線により半導体デバイスに付与された電荷がある閾値以上で記憶ノードに収集された場合、機器に誤動作が生じる。この現象はソフトエラーと呼ばれ、地上では二次宇宙線中性子が主因の一つとなっている。機器の誤動作は人的・経済的被害に繋がる恐れがあるため、半導体デバイスの設計段階でソフトエラー発生率(SER: Soft Error Rate)を評価することが重要となる。過去に構築したマルチスケールモンテカルロシミュレーション手法PHYSERDは、電荷収集過程を詳細に解析できるが長時間の計算を要する。一方、半導体デバイス内に定義した有感領域(SV: Sensitive Volume)への付与電荷量から収集電荷量を算出するSVモデル等を用いた場合、計算時間を短縮できる。本研究では、PHITSと多重SVモデルを用いた二次宇宙線中性子起因SER計算を実施し、PHYSERDおよび単純SVモデルによる結果と比較検証した。その結果、多重SVモデルによるSER概算値はPHYSERDの結果とよい一致を示した。また中性子入射イベント毎の収集電荷量を比較し、多重SVモデルを用いて電荷収集効率の位置依存性を考慮することがSER概算精度の向上に繋がることを実証した。

口頭

PHITSイベントジェネレータ改良による半導体SEU解析への影響

安部 晋一郎; 佐藤 達彦; 小川 達彦

no journal, , 

本研究では、PHITSに搭載されたイベントジェネレータモードの改良が、中性子による半導体SEU評価に及ぼす影響を解析した。半導体デバイスに対する放射線影響の1つとして、1つの粒子によって生じるシングルイベント効果がある。デバイスに入射した放射線がノイズ電荷を誘起し、これにより保持データが反転(シングルイベントアップセット, SEU)し、電子機器に一時的な不具合(ソフトエラー)が発生する。地上におけるSEUの主因となる中性子は、核反応を介してデバイスに電荷を付与するため、中性子によるSEUの発生率をシミュレーションで評価する際には核反応モデルの精度が重要となる。核反応モデルの精度検証の結果、イベントジェネレータモードの改良版となるe-mode ver. 2では二次イオンの生成断面積がJENDL-4.0と一致しており、従来版のe-mode ver. 1からの改善が確認された。続いてe-mode ver. 1とver. 2を用いて算出したSEU断面積を比較した結果、両者に有意な差が生じることが判明した。この結果より、e-modeの改良がSEU解析へ及ぼす影響を定量的に明らかにした。

口頭

FinFETデバイスにおける放射線誘起電荷の収集過程解析

安部 晋一郎; 佐藤 達彦; 加藤 貴志*; 松山 英也*

no journal, , 

放射線により半導体デバイス内に誘起された電荷が、電子機器の一時的な誤動作(ソフトエラー)を引き起こす。PHITSでソフトエラーの発生率を評価する際、メモリの記憶ノードに収集される電荷量を迅速かつ精度よく計算するモデルが必要となる。近年その使用が広がっているFinFETは、従来主流であったPlanar型素子と構造が異なるため、電荷収集の物理過程も従来とは異なることが予想される。そこで本研究では、FinFETに関する収集電荷量概算モデルの構築を目的とし、三次元TCADシミュレータHyENEXSSを用いて、放射線誘起電荷の収集過程の系統的調査を実施した。解析の結果、数psecの時刻にソース-ドレイン間の一時的な導通が生じることが判明した。また、fin部にのみ電荷が誘起された場合にはこの成分が電荷収集の主因となる一方で、基板にまで電荷が誘起された場合には100psec以降の拡散による電荷収集が主因となることを明らかにした。

口頭

PHITSと多重有感領域を用いたFinFETデバイスのソフトエラー解析

安部 晋一郎; 佐藤 達彦; 加藤 貴志*; 松山 英也*

no journal, , 

放射線が半導体デバイス内に誘起した電荷が一定量以上記憶ノードに収集されたとき、電子機器は一時的な誤動作(ソフトエラー)を起こす。ソフトエラーの発生率をシミュレーションで評価する際、収集電荷量を迅速かつ精度よく計算するモデルが必要となる。これまでの研究で、三次元構造を有するFinFETの電荷収集効率(付与電荷量に対する収集電荷量の比)は、電荷付与位置およびfin部に付与される電荷量に依存することが判明した。そこで本研究では、三次元デバイスシミュレータHyENEXSSを用いて電荷収集効率の電荷付与位置および付与電荷量依存性をより詳細に調査し、その結果に基づいてFinFETに対する多重有感領域モデルを新たに構築した。多重有感領域モデルの精度検証として、PHITSで得られた任意の電荷付与イベントについて、HyENEXSSおよび単一有感領域モデルによる計算結果との比較を行った。その結果、多重有感領域モデルを用いて電荷収集効率の位置依存性および付与電荷量依存性を考慮することが、収集電荷量の概算精度向上に繋がることを実証した。

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